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【4月コラム】

『春爛漫、花木が香る季節』になりましたが、事業環境は一向に    上向かず、春はいずこの気分です。
最近の景況調査で、全国的では約60%の企業は上向きと回答しているようですが、関東地区では60%の経営者が悪くなっていると回答した旨、報道されています。私も同感です。
ミャンマーは今が最も暑い季節です。4月13〜17日は水祭りと称する休みになります。この時期、労働者は故郷に帰り夏休みを取ります。日本の藪入り(お盆)です。従って、水祭りの前後1週間は、労働者が帰省し、生産・経済活動はストップします。
6月中旬から施工する大型案件のフローリング材を5月末に現場に搬入するには、水祭の前に、ヤンゴン港を出港させなくては遅延する恐れがあります。その船積み前の製品検査に営業部長の松田君を派遣しました。
さて、ミャンマー政府は10月の総選挙に向け、主要道路改修工事や病院増改修工事、浄水場新設工事等インフラ整備に努め、国民の  理解と支援を得ようと躍起になっています。ガスや石炭をタイ・中国・インドに輸出しており、原資は確保されているようです。
この軍政府の積極政策に便乗、利権確保を目指し、中国企業が   エーヤーワディ河流城、7ヵ所で水力発電所とカヤ州で2ヵ所の火力発電所建設工事を請負い、韓国企業がラカイン州沖合の海上ガス田から、中国に輸出する施設(海上施設・桟橋・パイプライン)を    約1,300億円で請負い、又、ベトナム企業がカチン州でチョウ鮫や鮭・ロブスターの養殖事業をミャンマー水産連盟と合弁で推進する  契約を締結する等官民一体になって活動しています。
又、最近、インドのタタ自動車がミャンマー第2工業省と大型トラックを共同生産する合弁事業に着手しました。来年3月には20t級の  大型トラックが生産される予定です。何時もながら周辺各国政府の  長期展望に基づく抜け目のない活動には感心させられます。
それに比べ、日本政府は?

《ヤンゴンの現況》 営業部長 松田 竜司

3月10日から約1週間、現地工場へ製品の検査に赴いた。出発前夜には都心でも積雪となり、真冬の寒さに震えつつ空港へと向かったが、ヤンゴン国際空港に降り立つと別世界である。現地時刻は夜の  8時、気温30度、町には人が溢れている。
過去数回の訪問時は大型台風の後であったり、大規模なデモの後であったりで町中に兵士が出回っていて、少し危険な香りが感じられたのだが、全く雰囲気が違い、喧騒の中に平穏な空気が流れていた。空港での入国審査時に感じたのは、欧米の観光客が多くなったと  いうこと。日本人をはじめアジアの観光客も以前より増えている様で、1日2便あるバンコク−ヤンゴン間のエアチケットを取るのが難しくなっている程だ。
毎年この時期は宝石の展示販売・商談会が催され、各国から    バイヤーが集まり、ホテルも宝石関係者で溢れかえっている。色々な人種が行きかう中でも最大の友好国である中国人がやはり目立って多い。圧倒的な生産力と低賃金で生産加工国としてその役割を果たしてきた中国が、いまや国内外を含め最大の消費国として商品や  労働力を求めに来ているのだ。ほんの数年前までは先進国が     こぞって中国に生産拠点を作り、安価な人件費を武器として大量に  リーズナブルな製品をつくってきた。しかしその人件費も年々上昇し、コストメリットが少なくなってきた昨今、生産拠点を新たに探す必要を迫られ、ミャンマーをはじめとするアジア諸国に多くの目が向けられている。
元々ミャンマーは人件費が低い割に労働者は非常に勤勉で製品の品質も安定しているという国際的な競争力を持った国である。今回  行った製品の品質検査も極めて入念に厳しい目を向けて行われていたので、毎度の事ながら安心して確認をすることができた。ところが、その人件費がまた高くなるという事が発表された。
今度2月にも一度上がっているのだが、4月に入りもう一度同じ金額のベースアップとなるという。元々この賃上げは、公務員や兵士に  限ることであるが、周りの民間企業にも賃上げを要求する労働者の動きが見え始め、各地でストライキなども起こっていた。市民生活に必要な様々なもの・燃料や電力の他、日常生活用品や食料等の  流通量は増加することが無い中、市民の所得のみが上り、既に生活にインフレの影響が出ている状態だ。賃上げは秋に行われる選挙の際に、現政権に投票をさせる為のばら撒きであると揶揄する声が  圧倒的に多く、輸出製品価格にもはねかえって来る事も予想される。
我々の取り扱うチークの原木価格も上昇を続け、下がる気配が見られない。材料の供給は一定数量の確保を約束されているが、価格を下げての提供は当分見込む事は出来ない。そんな先の見えない中での救いは原木の品質が安定していることで、今後も当分は良質の材料をお客様にお届けする事が出来ると安堵している。秋には総選挙が行われ、国民の声がより政治反映される新しいミャンマー政府が生まれると現政府は表明している。次回発注の商品を検品に行く時には状況が少しでも好転している事を心より望んでいる。

author:代表取締役 臼井成美, category:-, 09:10
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