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11月コラム
 

紅葉が始まったと思った途端、木枯らし一番を聞き、早や肌寒い季節になりました。これも夏の猛暑、初秋の集中豪雨等、気候変動の影響でしょうか?


ミャンマーでも、動植物に異常な現象が見られます。竹の開花は50年に 1回,中には130年に1回という品種もあり、開花すると枯れ死すると言われていますが、ヤンゴン周辺の各地の竹林で開花が見られます。
この竹の開花に伴う様に、野ネズミ・クマネズミの異常繁殖が発生し、耕作地に進出、作物を食い荒らしています。ヤンゴン〜ネピドーの高速道路には、自動車に引かれたネズミの死骸が散乱し、スリップ事故の原因にもなっているとの事です。

 

円高・ドル安は輸入業者には追い風です。弊社もドル安による利益を  享受したいのですが、ヤンゴン工場の製品原価が為替差益以上に上昇し、対処に苦慮しています。

今年1月に公務員の給与が一律20,000チャット(約2,000円)値上げされました。これに伴い、生活物価が1215%上昇し、一般労働者の賃上げ要求が激しくなり、平均で20%の給与改定を行いました。
*基幹工場労働者 110,000130,000⇒130,000160,000チャット
*日雇い労働者 3,000〜5,000⇒5,000〜7,000チャット

現在,闇市場では1ドル=920チャットです。1ドル=85円とすると1チャットは0.092円です。手作業が多く、生産原価に占める労務費率が高い木工事では、人件費のUPが製品価格にモロに反映されます。


営業部長の松田君が10月中旬に1週間程、製品検査と現地業者の動向調査に出張致しました。今回はベトナム経由を選択しました。
以下、レポートを記載致します。

ミャンマー訪問報告 @松田 竜司

 

1017日から、本年2度目の製品検査の為、ヤンゴンを訪れた。

世界的に異常気象といわれる今年、ミャンマーもその例外ではなく、平年と違う気候が続いている。例年であれば雨季の終わりという事で朝方は雨、午後からは曇り、というパターンの天気のはずが、1日中降雨で、それも結構な量が延々と降り続いている。これに輪を掛けて西方から台風が接近し、北部マンダレーでは家屋が水没するような洪水が起こり、毎日のニュースでその状況が映し出されている。また、気温が低く朝夕はホテルでも毛布をかぶらなくては過ごせないような寒暖の差があり、気候環境的にはあまり快適とは言えない時期であった。雨季全体を通してみると降水量は例年をはるかに下回る雨の少ない年だったらしいが、終盤に帳尻を合わせるが如くまとまった雨が降り続き、結局太陽は見る事無く帰途に  着くことになってしまった。

 

11月に行われる選挙を前に、町の状況はといえば、殆ど普段と変わらないという印象で、現地の方々と会話をしても、数十にもなる政党名もあまり認識しておらず『投票所に行ってから見てみるよ』といった感じである。  日本のように街中のそこかしこに政党ポスターや投票日の案内などの  告知広告がある訳ではなく、もちろん街宣カーも全く見られない。本当に選挙があるのかと疑ってしまう程で、静かな選挙戦という印象だった。

 

水面下では現政府の考え方に賛同しないグループの活動もある様だが、そういう部分は我々のような部外者である外国人には見えないように  努めているのが感じられる。ヤンゴンのような大都市ではおおっぴらにされていないが、地方の農村部では現政権維持の為の激しい得票操作が行われていると言う。人の集まりやすい町の重要施設の周りや交通量の多い交差点には小銃を持った兵士が立ち並び、緊張感が窺える。下手にカメラなどを向けようとするとタクシーの運転手に撃たれたいのかと一喝される。街中の平和な生活の中に武力による無言の圧力がまかり通って  いて、ここは軍事国家なのだと痛感するひと時だ。今年三月の訪問時に労働者賃金の高騰が話題になっていたが、相変わらず労働者の賃金はウナギ登りの状態で民間の企業経営者は対策に奔走している。加えて外貨の主力であったドルやユーロの価値が下がり、輸出を生業とする企業にはダメージが大きい。

 

街に食事に出掛けてみても、観光客はおろか外国人の姿が以前と比較して非常に少ない。ビザを申請しても下りないことがあるらしく、選挙前後の外国人の入国を制限しているという話も出ていた。現地の人等は殆どいなくて席も空きが目立っている。軍関係や公務員といったしっかりした職業についている人には賃上げの恩恵があるようだが、市井の人達には  行き渡っていないのが現実だ。 市場も人、モノ共に少なく物価高、物不足の感が見て取れる。とにかく生活に必要なものの価格が高騰し、不足しているのだ。

 

今回行動を共にした現地の人に、生活費の事を尋ねてみたら、つい数年前までは7人家族の1回の食事にかかるお金が約5000チャット(約400円)だったのが、今は軽く倍以上かかってしまうと言う。 選挙終了後に人々の暮らしが良くなっていくのか、また、諸外国に新たな門戸が開かれるのか、結果が非常に興味深い。 

 

さて肝心のチーク材であるが、今回の製品も非常に良好な原木から納得のいく製品をつくることが出来た。世界的に不景気が続き、欧州・アラブ諸国に対しての輸出が思うように増えず、良質な原木が市場に残っていた事が大きな要因だ。しかし、政府はこれらを安易に安売りしたりはしない。市場に出る流通量を調整し、世界的に価格が変動をきたすのを未然に防いでいる。原木の直径を見ても、1mを超える樹齢百年以上の正規統制材が何本もある反面、相変わらず盗伐材も多く出回っている。これらは山から運びやすくする為、丸太ではなく人が抱えられる最大の大きさである30キロ程度の重さの角材に加工して運ばれてくる。もちろん公認ではない為価格も安く、原産国証明も付いてこない。

 

主に中国やタイなどに持ち出されているが、取締りが厳しくなっており、  没収した材がヤンゴンの木材公社に運びこまれていた。これらが加工され、安価に方々で出回って行く事を思うと、本当に納得がいかない。地道に良いものを安心してお使い頂ける様精一杯の努力を続けるしか我々に出来る事は無いと思う。 

                              営業部 松田 竜司


author:代表取締役 臼井成美, category:-, 09:31
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